サフォーク州売春婦連続殺人事件の容疑者に終身刑
2008年2月23日 Saturday2月22日イプスウィッチ高等法院にて、サフォーク州イプスウィッチで起きた娼婦連続殺人事件の容疑者スティーブン・ライトに終身刑が下された。裁判官は容疑者について、全てドラッグにおぼれた売春婦という弱い立場の女性を意図的に選び、二つの遺体を十字架のように配置したことをなど挙げ、計画的かつ猟奇的な連続殺人鬼とし、刑務所で一生を過ごすべきだと仮釈放の可能性を否定した。
2月22日イプスウィッチ高等法院にて、サフォーク州イプスウィッチで起きた娼婦連続殺人事件の容疑者スティーブン・ライトに終身刑が下された。裁判官は容疑者について、全てドラッグにおぼれた売春婦という弱い立場の女性を意図的に選び、二つの遺体を十字架のように配置したことをなど挙げ、計画的かつ猟奇的な連続殺人鬼とし、刑務所で一生を過ごすべきだと仮釈放の可能性を否定した。
英国では死刑は廃止されているため、現在では終身刑が最高刑とされているが、タニア・ニコルとポーラ・クレネルの親族は死刑を検討するべきだと述べている。
バーテンダーとして働いていた職場から80ポンド(17,000円程度)を盗んだとして、2003年に逮捕されたときに採取されたDNAが、3体の遺体に付着していたことが有力な証拠となった。
そのほか、スティーブン・ライトの所有する車の足元の繊維がポーラ・クレネルの遺体に付着していたこと、二人の犠牲者の血液がライトのジャケットに付着していたこと、犠牲者が姿を消したその時間に、ライトの所有する車のナンバーが付近の監視カメラで確認されたことなどが挙げられている。
スティーブン・ライトは車やジャケットなどの証拠は殺した証拠にはなっていないとし、5人の女性と性行為に及んだが、殺してはいないと主張している。弁護団は控訴を検討中であると述べた。今後、スティーブン・ライトはロンドン南部のBelmarsh刑務所に送られ、自殺防止の監視下におかれるであろうと予想されている。
今回の裁判では追及されていないが、1992年に今回の事件と同じ売春地区で失踪し、絞殺死体が発見された当時16歳のナタリー・ピアマン、1993年にイプスウィッチで売春婦をしていたが失踪した26歳のマンディ・ダンカン、2000年には当時29歳のケリー・プラット、2002年には当時22歳のミシェル・ベトルスが同じ地域で失踪しており、スティーブン・ライトとの繋がりが懸念されている。
スティーブン・ライトが80年代前半にクイーンエリザベス2号で働いていた当時、西ロンドンで失踪し、現在まで行方不明のスージー・ランプルーと顔見知りであったことから、メトロポリタン警察が現在調査中であることを連絡してきたとスージー・ランプルーの父親がガーディアン誌に語っている。また、2000年9月に失踪し、ノース・ヨーク・ムーアズで全裸死体が発見されたヘロイン中毒者、ビッキー・グラスの事件についても、クリーブランド警察が調査中である。
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警察はサフォーク州で記録されている性犯罪者300人に接触し、多くの容疑者が捜査線上に浮かんだが、2006年12月19日に48歳男性のフォークリフト運転手スティーブン・ライトが逮捕され、12月21日に起訴された。逮捕の前日には他に37歳男性も逮捕されており、報道は加熱し、情報は錯綜していた。
48歳のフォークリフト運転手に関してのほとんどの情報は伏せられていたため、12月19日早朝にパジャマ姿で逮捕された彼についての情報はほとんど無かった。その後の報道で、彼が無口なゴルファーであると同時に、彼の妻がコールセンターの夜勤へ働きに出ている間、定期的に自宅近くの売春婦の元を訪れていること、£40,000(625万円程度)ほどの借金があることなどが報道された。
72歳になる彼の父親は、2001年から息子とは会っていないが、このような犯罪を犯すほど利口な男ではないとThe Sun誌に語っている。(Sky News : Suspect Is ‘Shy Golf Fan’)
警察はスティーブン・ライトの逮捕への経緯を明らかにしていないが、前日に逮捕されたトム・スティーブンスからの情報でも、殺害された犠牲者の顧客情報から導かれたものでもないという警察筋の情報がある。(The Times : Camera clue leads police to ’significant’ second arrest)
明確な証拠がまったく公表されないまま起訴されたが、起訴の前日に警察は遺体発見現場から容疑者と思しきDNAを採取したと発表しているため、分析の結果一致したために起訴に至ったのではないかという意見もある。(The Times : Suffolk serial killer - police charge man)
アネリ・アルダートンが最後に乗り込んだのがダークブルーのBMWという目撃情報があり、警察は逮捕前からそのBMWの持ち主と話がしたいと言っていた。ところが、警察がスティーブン・ライトの所有するダークブルーのフォード モンデオを押収したことから、アネリ・アルダートンが最後に乗り込んだとされる車が、目撃者の言うようにダークブルーのBMWだったのではなく、非常によく似た形であるフォードのモンデオだったのではないかという見方が浮上してきた。(参考:Second Suspect Arrested in Ipswich Murders)
しかし、アネリ・アルダートンの友人の売春婦2名と、タトゥーショップ店員の、合計3名もが「ダークブルーのBMW」と答えているため、単なる見間違いには疑問が残る。(BBC News : Plea for murdered women’s clothes)
また、ポーラ・クレネルのボーイフレンドは、殺人犯を知っていると言い、警察に情報を伝えた。その後、警察はBMWの男性に話を聞いたと言われている。(Sky News: Victim’s Secret Drug World)
目撃者は車種と同時に「運転手は小太りの男であった」とも証言し、こちらはスティーブン・ライトの体型と一致している。(BBC News : Cycle of drugs and prostitution)
※注記の無いものは主にWikipedia(EN) : 2006 Ipswich murder investigationからの情報です。
37歳のスーパー店員は、タクシーの運転手という副業も持っており、また、1992年から1997年にはノーフォーク警察にボランティアの特別巡査官として任命されていた。彼が警察のボランティアをやむを得ず辞職したのは、売春婦との不適切な関係のためと報告されている。
10月30日にタニア・ニコルが失踪した直後から事件との関係が疑われ、11月2日に既に警察に事情聴取を受け、11月22日には家宅捜索を受けていた。事情聴取は逮捕までに合計4回も受けたと本人が語っている。12月12日にはBBCからインタビューに応じ、逮捕の前日にはサンデーミラーのインタビューにも応じていた。12月18日、とうとうトム・スティーブンスが逮捕されるに至ったが、起訴されたのはその次の日に逮捕されたスティーブン・ライトであった。
逮捕時に警察は実名を公表しなかったが、既にインタビューをしていたBBCなどほとんどのメディアが実名報道に踏み切り、ついにはMyspace.comのアカウントが突き止められ、そこにアップロードされていた画像は大々的に報道された。報道によってたくさんのアクセスとなり、トム・スティーブンスのアカウントは削除された。本人は拘留中であったため、Myspace.com側で削除したものと思われる。
BBCは11月22日のインタビュー時には放送を意図して録音されたものではなかったにもかかわらず、逮捕後にはインタビュー時の録音テープを放送に踏み切った。この判断には英国の刑事弁護士から、「先入観をあたえることになり、公正な裁判が出来ない」と批判の声が上がっている。
トム・スティーブンスは犠牲者の女性全員を知っているとサンデーミラーのインタビューに答えたが、自分は潔白であると訴えた。また、BBCのインタビューにはタニア・ニコルととても親しかったとも語っている。
元売春婦の女性は、トム・スティーブンスは犠牲者たちが働いていたレッド・ライト・エリア(売春が盛んな地域)に毎晩のように通っていたと語っている。とてもやさしい人物で、売春婦たちから信頼されていたと述べている。
警察の幹部である人物が、ポーラ・クレネルと、名前は明かされていないがもう一人の犠牲者の顧客であることが分かり、警察から事情聴取を受けていた。主任捜査官のスチュワート・ガルはこの人物に対し、警察であるからといって、特別扱いはしないと述べていた。(Wikipedia(EN) : 2006 Ipswich murder investigation)
ポーラ・クレネルがサディストの常連客からひどく打たれ、数日間働けないことがあった。地元に住む、黒い大きな車を所有する50代のスコットランド人で、ポーラを杖で叩くために一時間350ユーロ(55,000円程度)を支払ったといわれている。警察はこの人物にも事情聴取をしている。(Mirror : EXCLUSIVE: RIPPER IS BONDAGE BEAST)
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サフォーク州イプスウィッチで発生した連続殺人事件の犠牲者はいずれも売春婦であり、麻薬中毒者であった。どの遺体も全裸で遺棄されており、暴行、もしくは性的暴行の痕跡は見られなかった。2名は絞殺の可能性の高い窒息によるものと死因が公表されているが、一人は検死で特定でなかったと公表され、残りの2名については何も公表されていない。また、死体発見現場は殺害現場ではなく、殺害後移動した可能性が強いとして調査が進められている。
この記事は主に以下のサイトの情報をまとめたものです。
19歳。イプスウィッチ在住。10月30日に家から外出して以後、消息を絶っていた。12月8日にコップドックの池で遺体が発見された。
タニアは母親と15歳の弟と一緒に郊外の団地で暮らしており、帰ってこない娘を心配した母親は11月1日に警察に行方不明者として届け出ている。失踪して初めて、両親はタニアが売春していたこと、そして麻薬を常用していたことを知った。両親はメディアの取材に応じ、彼女に関するどんな小さな情報でも教えてほしいと一般に訴えた。
高校時代にはポップスターになるのが夢の、少し控えめだがいつもにこやかで、よく気のつく少女であったが、 高校を卒業するとドラッグに溺れるようになり、売春で生活するようになった。
日本のソープランドと同じように、英国でもマッサージと称して売春行為を行う「マッサージ・パーラー」と呼ばれる店が存在し、タニアはイプスウィッチ市内の複数のマッサージ・パーラー を出入りしていた。18ヶ月ほど前、タニアはその中の一つの店を追い出されてしまったことがあった。タニアが店内で麻薬を使用していた疑いがあったためだった。
25歳。イプスウィッチ在住。11月15日にボーイフレンドと会って以来、消息を絶っていた。17日後の12月2日土曜日に、Hintleshamの川で遺体が発見された。
ビジネスマンの裕福な家庭に生まれ、幼少の頃には乗馬やピアノを学ぶ快活な少女だった。GNVQ(職業認定コース)で社会福祉を学んだのち、16歳で地元の保険会社で職を得たが、1年後にはヘロインとクラックに溺れるようになった。両親はリハビリ施設へ連れて行ったが、ジェンマが薬と手を切ることはなく、そのうち仕事を辞めて家族と疎遠になり、薬代のために売春で生活するようになった。
両親は事件発生まで娘が売春で生活していることを知らなかった。
友人の証言によると、行方不明となる1週間前に、ジェンマは身元不明の常連客と奇妙な会話をしていたという。この男性が「君を有名にしてあげる」、「どんな風にテレビに出たい?」などと話したという。警察はこの会話がアダムスの殺害を暗示しているという可能性は除外できないとしている。
24歳。コルチェスターのエセックス在住。12月3日日曜日から消息を絶っていた。12月10日日曜日にナクトン付近の森で遺体が発見された。
5歳になる息子をハリッジの実家に預けて生活をしており、検死後妊娠3ヶ月であったことが判明した。一般から情報を集めるべく、彼女の失踪当日の様子が映った監視カメラの映像が警察によって公表された。
最後の目撃情報で、彼女が青いBMWに乗り込んだとの証言が複数あった。
美しく快活で、流暢なギリシア語を話す彼女は、モデルになることを夢見ていた。しかし繊細な一面も持つ彼女は、13歳でクラックの味を覚え、14歳から15歳の頃には常用するようになり、ドラッグのリハビリ施設に通うこともあったが、薬をやめることは出来なかった。窃盗癖があり、3回投獄されている。売春はまだ経験が浅く、働き始めてほんの数週間しか経たずに事件は発生した。
遺体は12月10日に発見されたが、警察は12月7日火曜日に遺体発見現場でマネキンのようなものを見たという男性を確認しており、これを遺体と見間違えたものとして、少なくとも7日から放置された状態であったと考えられている。死因は絞殺の可能性の高い窒息死であると公表された。
24歳。イプスウィッチ在住。12月10日の深夜に目撃されて以後、消息を絶っていた。12月12日火曜日にアネット・ニコルスの遺体と共に、レヴィングトン付近の荒地で発見された。
3人の子供を持つ母親であったが、一時期同居していた元軍人の男性によれば、ドラッグの過剰摂取により若死にするだろうと言われるほどの常用者だった。彼女の両親は10年前に離婚しており、父親はポーラが売春をしているとは思いもよらなかったと答えている。
行方不明となる一週間前に、サフォーク州連続殺人事件を調査しているローカルテレビ局のインタビューに「客の車に乗り込むときは怖いけれど、生活のために続けざるを得ない」と答えていた。
ポーラ・クレネルと同居している51歳のボーイフレンドは、彼女を殺害した犯人を知っていると話し、警察で事情を話したが、現在逮捕された容疑者であるかどうかは公表されていない。
29歳。イプスウィッチ在住。12月5日に消息を絶ち、12月12日火曜日、ポーラ・クレネルの遺体と共に、レヴィングトン付近の荒地で発見された。
8歳の息子を持つシングルマザーで、子供の教育には熱心であったが、3年前に麻薬に溺れるようになった。しかしつい最近、美容学校の4年間のトレーニングコースを卒業し、美容師としての道を歩き始めようとしていた矢先の出来事だった。
彼女が消息を絶ってすぐに、家族はテレビで騒がれているサフォーク州連続殺人事件との関連を疑い、警察に届けた。
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現在までの事件の流れを時系列で並べています。Wikipedia(EN)の2006 Ipswich murder investigation内、Timeline of eventsに12月26日の時点で書かれていたものをただ訳したものです。
| 10月30日 | タニア・ニコルが失踪 |
| 11月2日 | トム・スティーブンスが警察によって任意の事情聴取を受ける |
| 11月7日 | タニア・ニコルの母親が失踪届けを提出 |
| 11月15日 | ジェマ・アダムスが失踪し、警察は情報を呼びかける |
| 11月22日 | トム・スティーブンスの自宅が警察により捜索される |
| 12月2日 | ジェマ・アダムスの遺体がイプスウィッチ西部ヒントレシャムで発見される |
| 12月3日 | アネリ・アルダートンが失踪 |
| 12月8日 | タニア・ニコルの遺体がイプスウィッチ南西のコップドックで発見される |
| 12月9日 | 警察がニコルとアダムスの死に「明白な類似性」を確認する |
| 12月10日 | アネリ・アルダートンの遺体がナクトン付近で発見される。ポーラ・クレネルが失踪 |
| 12月12日 | ニコルスとクレネルの遺体がイプスウィッチ南東レヴィングトン付近で発見される。2人の遺体は非常に近い場所に遺棄されていた。 スティーブンスがBBCからインタビューされる |
| 12月13日 | 調査の手助けとなる情報が多く一般から寄せられたとサフォーク州警察が発表する。 ニコルスとクレネルの着衣が発見される。 |
| 12月14日 | 12月12日にレヴィングトン付近で発見された遺体の一つがポーラ・クレネルであると特定された。 |
| 12月15日 | 12月12日に発見されたもう一つの遺体がアネット・ニコルスであると特定された。 一人の女性が失踪したとスカイニュースが報道したが、後に無事で発見された。 ニコルの父親が殺人事件解決のため、警察への協力を訴える。 |
| 12月16日 | 失踪した日のアルダートンを写した監視カメラの映像が公表され、同時にアルダートンが妊娠3ヶ月であったとも公表された。 |
| 12月18日 | 警察が37歳の男を逮捕する。警察はこの男性の実名を公表しなかったが、メディアによりトム・スティーブンスと公表される。 |
| 12月19日 | 2番目の容疑者、スティーブン・ライトが逮捕される。 判事が36時間の拘留期間延長を警察に認める。 |
| 12月21日 | 司法長官のゴールドスミスが二人の男性に関する情報を報道する際のガイドラインをメディアに発行した。 警察はトム・スティーブンスを釈放。スティーブン・ライトは5人の女性殺害の罪で起訴された。 |
| 12月22日 | 予審後スティーブン・ライトは再拘留となった。次回出廷は2007年1月2日。 |
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